現在のように通学路なんぞの決まりがなかった俺たちの登下校コースは、その日の気の向くまま、足の向くままだった。町内の子分どもを引き連れて、お寺の境内を抜け墓地を通ったり、わざわざ遠回りして、小高い山の茶の花の匂う茶畑の小道を通ったりした。あの時一緒に通ったひとつ年下の、かわいい女の子は今はどうしているのか。お茶の花の咲くこの時期になると思いだす。
イワショウブの花:ユリ科の多年草。
中学ん時の部活の帰りすがら、軒先からNHK連続ドラマ小説「バス通り裏」の主題歌を聞きながら帰ったのが思いだされる。小さな庭を真ん中に♪♪…歳がばれちゃう。
部活はやらず、ベンキョウはやらず、夜中、悪がき仲間と街を徘徊、寒さしのぎに、てんでにある銭湯のはしご、
訳あって独り暮らしの仲間の家に四、五人で泊りこんで、カバンも持たず、そのまま登校、ロクでもない餓鬼だった。
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